2012年度前期 演習(国際機構法)

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ゼミの内容
 

目標

 投資家対国家仲裁に関する反対論を調べ、それらが投資家対国家仲裁の現実をどの程度反映しているか(いないか)を検討し、論文の形にまとめる。

 

論文 「ISDS条項批判の検討―ISDS条項はTPP交渉参加を拒否する根拠となるか―

 ゼミ生が共同で書き上げた論文です。大変優れた内容であるため、その縮約版を仲裁専門誌JCAジャーナル(2012年12月号)に掲載していただくことができました。ここに完全版を掲載しますので、ご一読の上、ご批評賜れば幸いです。(2012年12月3日掲載)

 JCAジャーナル59巻12号(2012年)が刊行されました。19-31頁に掲載されています。(2012年12月11日掲載)

 

4月10日 【予習課題】ゼミ概要参照
  • ブレインストーミング
    TPPについて特に投資家対国家仲裁を理由に反対の意を示す議論を集め、反対理由としてどのようなものが挙げられているかを整理する。
4月17日

【予習課題】

Metalclad v. Mexico, ICSID Case No. ARB(AF)/97/1, Award, 30 August 2000.

投資紛争解決国際センター(ICSID)のウェブサイトから、Cases → List of Cases → Concluded Cases → Metalcladと進んで、 Award of the Tribunalをダウンロードして下さい。英語版で結構です。

日本語評釈は、松井芳郎(編集代表)『判例国際法〔第2版〕』(東信堂、2006年)、杉原高嶺・酒井啓亘(編)『国際法基本判例50』(三省堂、2010年)を参照。

特に報告者は決めず、全員で議論をします。

  • 投資法・投資協定仲裁の基礎
     
  • Metalclad事件の分析
4月24日

【予習課題】

Compañía del Desarrollo de Santa Elena v. Costa Rica, ICSID Case No. ARB/96/1, Final Award, 17 February 2000.

同様にICSIDサイトからダウンロードできます。この回も報告者は決めず、全員で議論をします。

5月1日 (報告準備に充てるため休講)
5月8日

【予習課題】

S.D. Myers v. Canada

カナダ外交通商省サイトから、Partial Award, Second Partial Award, Final Awardをダウロード。同ページに挙げられているそれ以外の関連資料にも、余裕があれば目を通しておく。

報告:Aチーム(3名)

  • S.D. Myers事件の分析
  • 環境措置の問題か?
5月15日

【予習課題】

Pope & Talbot v. Canada

カナダ外交通商省サイトから、Interim Award (Phase 1), Award on the Merits (Phase 2), Award on Damages (Damages Phase), Final Award をダウロード。同ページに挙げられているそれ以外の関連資料にも、余裕があれば目を通しておく。

報告:Bチーム(3名)

  • Pope & Talbot事件の分析
  • NAFTA FTC Notes of Interpretationの意義とそれに対する仲裁廷の反応の評価
 

追加資料

5月22日

【予習課題】

Loewen v. United States, ICSID Case No. ARB(AF)/98/3.

アメリカ合衆国国務省サイトから、Awardをダウンロード。同ページの他の資料にも、余裕があれば目を通しておく。

報告:Cチーム(3名)

  • Lowen事件の分析
  • Mikva仲裁人の「告白」については、David Schneiderman, "Judicial Politics and International Investment Arbitration", Northwestern Journal of International Law & Business, vol. 30, 2010, p. 383, pp. 404-405.
 

追加資料

5月29日

【予習課題】

Tecmed v. Mexico, ICSID Case No. ARB(AF)/00/2, Award of the Tribunal, 29 May 2003.

ICSIDサイトから検索。

報告:Dチーム(3名) この週からチーム組み替え

  • Tecmed事件の分析
  • 環境措置の問題か?
  • 間接収用と公正衡平待遇義務違反との区別の実践的(無)意味
6月5日

【予習課題】

Occidental Exploration v. Ecuador, LCIA Case No. UN3467

Investment Treaty Arbitrationサイトにて、Final Award他の関連資料をダウンロード。

報告:Eチーム(3名)

  • Occidental Exploration事件の分析
  • Fork-in-the-road規定の実践的意義
  • 租税関連措置除外規定(エクアドル・米BIT 10条)の起草のあり方
6月12日

【予習課題】

ADM v. Mexico, ICSID Case No. ARB(AF)/04/5

ICSIDサイトから検索。

報告:Fチーム(3名)

  • ADM事件の分析
  • 実質的に内国産業を優遇する措置
  • 政策的に内国産業を保護する必要がある際の対応策
6月19日

(台風のため休講)

6月26日

(休講)
7月3日

【予習課題】

Philip Morris v. Australia
 Investment Treaty Arbitrationサイトにて、Notice of Claim, Notice of Arbitration, Australia's Response to the Notice of Arbitrationをダウンロード。
 報告:Gチーム(3名) この週からさらにチーム組み替え

参考資料

  • Philip Morris事件の検討
    • 申立人が主張する条約違反とは
    • 「健康保護」は争点か
7月10日

【予習課題】

Vattenfall v. Germany

  • 火力発電所への環境規制に関する事件
    Investment Treaty Arbitrationサイトにて、Request for ArbitrationとAwardとをダウンロード。
    報告:Hチーム(3名)

  • ドイツの原発撤退に関する事件
    可能な範囲で情報収集を試みる。
    報告:Iチーム(3名)
  • Vattenfall事件(2件)の検討
    • 第1事件 環境保護より投資か保護が優先された事例か
    • 第2事件 申立人(投資家)は投資受入国の政策判断(=原発廃止)を違法と主張しているのか
7月17日 (月曜時間割)

7月18日(補講)

【予習課題】

チームごとに文案(論理構成)提出。ゼミではそれを基に議論する。

Jチーム、Kチーム、Lチーム この週からさらにチーム組み替え

  • 実体的論点・手続的論点に分けて、検討すべき事項を整理
7月24日

【予習課題】

チームごとに再改訂版提出。それを基に議論を重ねる。

Jチーム、Kチーム、Lチーム

  • 論点ごとに課題を再検討
  • 全体の構成案作成