2012年度前期 演習(国際機構法)

ゼミの概要

ゼミ生への連絡(2月5日掲載 2月12日追記

4月までに、以下の準備をしておいて頂きたい。

下記文献を読み、投資仲裁の概要につき把握しておく。

  • 酒井啓亘ほか『国際法』(有斐閣、2011年)第5章第3節「投資」
  • 小寺彰「投資協定の現代的意義」小寺彰(編著)『国際投資協定』(三省堂、2010年)
  • 玉田大「投資協定仲裁の多角化と司法化」国際問題597号(2010年)44頁
  • 経済産業省『2011年版不公正貿易報告書』第III部第5章「投資」

TPPや米韓自由貿易協定への反対派には、反対の論拠としてそれら協定に含まれる(であろう)投資仲裁を挙げるものがある。なぜ投資仲裁に反対するのか、その理由を調べておく。それら反対論を示している著作・新聞・ウェブ記事を収集し、初回のゼミにおいてそのコピーを配付すること。そのためのコピーカードは用意されているので、M本まで連絡されたい(2月12日追記)。

 

科目

国際機構法
担当教員 M本正太郎
曜日
演習題目と目的 国際投資法仲裁判断例研究
日本ではほとんど注目されていなかった投資仲裁が、TPP交渉参加問題に絡んで突然メディアを賑わすようになった。TPP交渉参加反対派によれば、投資仲裁は国家主権の侵害と米国(企業)への隷属とを招来するとのことである。それはそうもしれないし、違うかもしれない。ただ、投資仲裁の実態を知らないで議論しても全く意味がない。まずは、仲裁判断例を読んでみよう。
計画と内容

受講生は国際投資紛争仲裁について一切知識を持っていないことを前提に、最初の数回で投資法の基礎を集中的に学び、その後、チームを構成して仲裁判断例を分担・報告し、最後に評釈を作成する。

仲裁判断例を検討する際には、企業法務担当者(弁護人)であればどのようにして「攻める」べきか、官庁側の担当者(弁護人)であればどのように「守る」べきかを実践的に考える。その上で、投資家が自己の経済的利益のために賠償・補償を求めて提起する仲裁が、主権・民主主義・グローバルガヴァナンス・公と私などというマクロな問題とどのように結びついているかを議論する。

合否判定方法 ゼミでの議論への参加とレポート
その他の特記事項 用いる資料は全て英語である。「国際機構法」および「国際法第一部」を履修済であるか並行して履修することを想定して行う(要件とはしない)。質問があれば、hamamoto@law.kyoto-u.ac.jpまで。