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2002年度前期 国際法概論

授業評価アンケート

2002年6月28日実施 無記名
回答者数 48
設問は学部共通です


I. まず授業科目名とあなたの学部学年等について答えてください。

授業科目名  国際法概論

                  

Aa. 学部
法学部   43
経済 0
経営 0
その他 0
大学院 5

                  

Ab. 学年 (参考 期末試験受験者数)
2回生  14   19
3回生 23 30
4回生 5 18
5回生 1           11
M1 4
院生
(学年無記入)
1

                  

Ac. 性別  以下の質問に対する回答に、性別ごとに異なる傾向はありませんでした。
男性 19  
女性 28
無回答 1

                  

Ad. コース
昼間主 39
夜間主 4
大学院 5

                  

(B. 今学期、法学部学生授業評価アンケートに答えるのは何科目目ですか。→省略)

                  

C. (法学部昼間主コース3年以上の学生のみ)履修コースを教えてください。
司法 9
行政 1
政治 5
産業 1
国際 8
未定 1
無回答 4

                  

D. 学部卒業後の進路として、最も希望するものを以下の選択肢から一つ答えてください。
法曹 6 国際機関 8
専門職(司法書士等) 5 教員 2
国家公務員 5 NPO(非営利事業団体) 1
地方公務員 3 大学院進学 2
民間企業 6 その他 4
マスコミ関係 2 無回答 4

コメント
 国際公務員を目指している人が少なからずいることはうれしい限りです。大変な道のりですが、ぜひ夢を実現させてください。参考までに、こちらを見てください。

 

II. 法学部における講義全体について答えてください。

 (省略)

III. この授業について意見を聞かせてください。

I. 担当教官の話し方は、聞き取りやすかった。
とてもそう思う 27
やや、そう思う 13
どちらともいえない 5
あまりそう思わない 3
全くそう思わない 0

 聞き取りにくかった場合、その理由。

コメント
 大切なところはゆっくり話すよう心がけてはいますが、なかなかうまくいっていないようです。来年度は「双方向」の授業方式を全面的に取り入れるべく準備していますので、それが実現すればこの問題点も改善されると思います。

                  

J. 担当教官の話し方は、ノートがとりやすかった。
とてもそう思う 8
やや、そう思う 18
どちらともいえない 14
あまりそう思わない 7
全くそう思わない 1

 とりにくかった場合、その理由。

コメント
 上に同じ、です。
 もっとも、正直言って、「ノートがとりやすい」講義とはどのようなものか、私にはよく分かりません。というのも、
私はノートをほとんどとらないからです。学生時代に出ていた講義や、現在出席する学会やシンポジウム等では、鍵になる単語をメモする程度のことはしますが、あとはひたすら話を聞くのに集中しています。それで困ったことはありませんから、詳細なノートをとることにどの程度意味があるのか、大いに疑問に思っていますし、「ノートのとり方」なる本にはうさんくさいものを感じます。逆に、私は、ノートをとりながら話を聞く、という「二兎を追う」ことができないので、ノートをとるとかえって人の話がわからなくなります。
 「ノートを棒読みするだけの講義」がよく批判の対象になりますが、「ノートをとるだけの講義」というのもいかがなものでしょうか。私としては、「
ノートをとる暇があったら考えろ」と言いたいところです。
 そういったわけで、この質問項目がアンケートに含まれていることには大いに疑問があるのですが、学部共通フォーマットですから、しかたありません。

                  

K. 担当教官の黒板、OHP、ビデオ等の使い方は適切だった。
とてもそう思う 23
やや、そう思う 15
どちらともいえない 7
あまりそう思わない 1
全くそう思わない 0
無回答 2

 不適切だった場合、その理由。

コメント
 OHPではなくてプロジェクターですね。
 黒板にほとんど書かないのには理由が二つあります。一つは、板書するとみんなコピーにいそしんで思考が停止してしまうこと。「写す暇があったら考えてくれ」と思います。二つ目の理由は、
「法学の教師たる者、あらゆることを口頭のみにて伝えることができなければならない」というフランスの伝統に強い共感を覚えていることです。つまり、板書がなければ理解できないような講義はろくな講義ではない、ということです。・・・ならば、私の講義は「ろくな講義ではない」ことになってしまう訳で、今後いっそうの努力が求められることを確認させられました。

                  

L. 授業の内容はわかりやすかった。
とてもそう思う 18
やや、そう思う 15
どちらともいえない 9
あまりそう思わない 6
全くそう思わない 0

 わかりにくかった場合、その理由。

コメント
 三番目と四番目のコメントは矛盾していますが、具体例から論じた方がわかりやすいという人と、まず体系的に理論から入った方がわかりやすいという人とがいることを考えれば、ある程度理解できます。私も、ある時は具体例ばかりで講義を構成し、ある時は完全に理論的な話に終始する、といろいろな方法を試みてみました。
 難しかった、という意見については、下の「講義の内容」へのコメント「今後への要望」へのコメントを参照してください。

                  

M. 指定された教科書は授業の理解に役立った。
とてもそう思う 20
やや、そう思う 19
どちらともいえない 6
あまりそう思わない 3
全くそう思わない 0

 役立たなかった場合、その理由。

コメント
 48名中39名が「とてもそう思う」「やや、そう思う」と答えていますので、悪い選択ではなかったのかもしれません。ただ、「難解」というのはもっともな話で、教科書はもっぱら予習のために使うことにしていた私の講義のやり方を前提にすると、もう少し「普通」の「当たり障りのない」本を教科書に指定して、藤田『国際法講義』は参考書指定にした方が良かったかもしれません。
 ただし、「一読したぐらいでは理解不能」というのは当たり前の話です。一読しただけで理解できるような教科書があるとすれば、それは、神がかり的大天才の手によるものであるか(そんな教科書、見たことない)、あるいは、一読したぐらいでは分からない難問から逃げているだけか、どちらかです。

                  

N. 配布されたレジュメ等は授業の理解に役立った。
とてもそう思う 34
やや、そう思う 10
どちらともいえない 2
あまりそう思わない 1
全くそう思わない 1

 役立たなかった場合、その理由。

コメント
 9割以上の人は肯定的に評価してくれました。
 上の最初のコメントは誤記入でしょうか。「役立たなかった」理由にはなりませんよね。
 その他2つのコメントについては、ある程度理解はできます。ですが、初回の授業でも話したとおり、あえてこのようなレジュメを配布しているのです。教科書を指定しており、予習してきていることを前提にしていますので、教科書に書いてあることをレジュメに書く必要はありません。レジュメの役割は、これまた初回の授業で話したとおり、「一体今何の話をしているのか」を把握し、講義の最中で路頭に迷わないようにするための目次程度のものでしかありません。これ以上詳しくするのは過度にパターナリスティックであり「非教育的」だ、と考えています。

                  

O. 一回あたりの授業の進度もしくは分量は適切だった。
とてもそう思う 18
やや、そう思う 18
どちらともいえない 7
あまりそう思わない 5
全くそう思わない 0

 不適切だった場合、その理由。

コメント
 この項目については、必ずしも肯定的な評価はもらえませんでした。25回程度の講義で国際法概論の範囲全てを詳細に扱うのはもちろん不可能ですから、どこを切るかが腕の見せ所になります。もう少し絞り込んだ方がいいのかもしれません。これは考えてみます。
 なお、「予習の量が多い」ということについては、下の「予習について」のコメントを参照してください。

                  

P. 教える側の意欲が感じられた。
とてもそう思う 42
やや、そう思う 6
どちらともいえない 0
あまりそう思わない 0
全くそう思わない 0

コメント
 全員から「とてもそう思う」と評価をもらいたかったところですが、うーん。たしかに、5月の途中あたりで私自身「だれている」と思うことが何度かありました。学期を通じてこちらも緊張感を保たなければなりません。

                  

Q. 理解を深める工夫がなされていたと思った。
とてもそう思う 30
やや、そう思う 13
どちらともいえない 4
あまりそう思わない 1
全くそう思わない 0

コメント
 この項目にはなぜか「そう思わない場合、その理由」を記す欄がありませんので、どういう点で「あまりそう思わない」「どちらともいえない」と考えたのかが残念ながら分かりません。

                  

R. 授業のねらい(何をどこまで教えようとしているのか)が明確だった。
とてもそう思う 28
やや、そう思う 12
どちらともいえない 8
あまりそう思わない 0
全くそう思わない 0

コメント
 ここも同じく「その理由」を記す欄がありませんので、「どちらともいえない」の理由が分かりません。初回の授業で配布したシラバスでかなり詳細に明らかにしたつもりだったのですが、それでは不十分ということか、あるいはシラバス通りの授業でなかったということか。以下の"U."も参照してください。

                  

S. この授業を受講して、新しい知識や物事の見方が得られた。
とてもそう思う 35
やや、そう思う 11
どちらともいえない 2
あまりそう思わない 0
全くそう思わない 0

コメント
 「どちらともいえない」と回答した2名は、質問L.で「授業はあまりわかりやすくなかった」と回答しています。

                  

T. 授業内容は知的興味を引くものだった。
とてもそう思う 34
やや、そう思う 13
どちらともいえない 1
あまりそう思わない 0
全くそう思わない 0

コメント
 とりあえず及第点でしょうか。

                  

U. 授業はシラバスに沿って行われた。
とてもそう思う 32
やや、そう思う 10
どちらともいえない 6
あまりそう思わない 0
全くそう思わない 0

コメント
 私としてはシラバス通りにしたつもりなのですが。もっとも、シラバスと異なる順番で話を進めることがときどきあったのは確かです。

                  

V. この授業は休講が少なかった。
とてもそう思う 37
やや、そう思う 9
どちらともいえない 1
あまりそう思わない 1
全くそう思わない 0

コメント
 休講については、「講義資料」のページで確認できます。今期の休講は1度、5月に学会のためにしたものです。補講期間がなかったため、補講はしませんでした。それが悪かったのでしょうか。

IV. この授業に対する自分自身の取り組み方に対する評価を教えてください。

W. この授業へのあなたの出席状況を以下の選択肢から選んでください。
100% 12
80-99% 23
60-79% 10
40-59% 2
40%未満 1

コメント
 まあ、これはあまり重要ではありません。私としては出るに値する講義をするべく努力をしていますが、実際に出るに値するかどうかは皆さんが判断することですから。

                  

X. この授業のためにした予習・復習等の勉強の程度について教えてください。
十分した 3
まあまあした 33
あまりしなかった 11
しなかった 1

コメント
 ここには謙譲の美徳が働いていますね。

                  

Y. なぜこの授業を受講することにしましたか。その理由を書いてください。

 注 他の講義に関するコメントがありましたが、それは削除しています。

V. 最後に、この授業に対する感想・要望・意見等があれば、自由に書いてください。

 (回答前に、「この講義の良いところと悪いところとについて、できるだけ具体的に書いてください」とお願いしました。以下、私なりに整理したものを記しますので、回答が分割されている場合があります。)

予習について

コメント
 日本的標準からすれば、予習の量は確かに多かったでしょう。しかし、今後は、他の講義もこの方向に動くことになります。私の講義でも、いっそうの予習・復習を課すようになるでしょう。これはほとんど慣れの問題ですから、あまり心配するには及びません。

                  

教科書について

コメント
 上記質問M.へのコメントを参照してください。
 最後の意見は、もっともですね。国際法の場合、「六法」が使えず、「条約集」を買ってもらわなければならないので、どうしても費用がかかります。残念ながら、これはやむを得ません。

                  

配付資料について

コメント
 「冊子になったシラバス」とは、講義初回に配布したシラバスですね(「講義資料」ページ参照)。これが言葉の本来の意味でのsyllabusで、一般に日本で「シラバス」と呼ばれているのは「講義案内course description」に相当します。

                  

講義の進め方について

コメント
 上記質問I.へのコメントにも書いたように、次回からは全面的に「双方向式」の講義にします。「生徒をあてることで緊張感がうまれ」るでしょうし、早口対策?にもなるでしょう。
 163教室のプロジェクターは、確かにきわめて質の悪いものです。161や263のは鮮明に映るのですけれど。取り替えてもらうように努力します。

                  

講義の内容について

コメント
 「読んでもわからないことを聞いて理解する」のが講義の存在理由です。したがって、「読めばわかる」ことは話しません。また、神戸大学ともなれば、当然に最先端の議論をふんだんに盛り込んだ講義をすべきと考えています。
 とはいえ、難しいことをわかりやすく話すのが私の役目ですから、まだまだ努力が足りていないことは自覚しています。

                  

例題・答案添削について

コメント
 E-mailでの回答を求めたのは、添削の便宜のためですが、パソコンが使いにくい環境にいる学生については手書きでも認めています。もっとはっきりこの点をお伝えすればよかったですね。

                  

教官の態度・姿勢について

コメント
 私が学生の時は、自分の怠慢は棚に上げてよく質問に行っていました。あまり難しく考えずに。

                  

試験

コメント
 試験には、「評価」のほかに「学習への動機づけ」という役割があります。ですが、「評価」は他の手段で十分可能ですし、「学習への動機づけ」はもっといい手段があるように思います。ですから、今後は試験をしない講義というのも試みてみたいと思っています。
 なお、私の試験の評価は自分では「大甘の楽勝」だと思っています。というのも、本来ならば不可の学生を「救済措置」で大量に救っていますので。「救済措置」なぞ一切とらずに評価すべきものなのですが、なかなかそこまでは思い切れずにいます。合格者が受験者の1割というのも、やはり・・・。

                  

全体的印象

コメント
 この講義で何かを得たのであれば、それを今後に活かしていってください。期待しています。

                  

今後への要望

コメント
 「難しくて、おもしろい」という評判をもらいたいと思っています。