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神戸大学法学部 2004年度前期
外国書講読(仏書)
○授業のテーマと目標
法律・政治に関するフランス語のテキストを用い、フランス語で書かれた文章を正確に理解することを目標とする。
○授業内容の要旨と授業計画
テキストの朗読・翻訳を行い、内容につき議論する。
○教科書・参考書
Pourquoi la guerre?, Autrement junior, 2003.
○履修上の注意
この外国書講読は大学院と共通の講義ではなく、学部生向けである。2年次(2003年度入学)生も受講可。
フランス語を全く学習したことのない者であっても、これを機に習得する意欲があるならば、参加を歓迎する。フランス語の勉強のしかた、その他一般的な参考文献などについては、フランス語FAQを参照していただきたい。
逆に、フランス語にかなり自信がある学部生は、大学院の「フランス法文献研究」に出席しても構わない。ただし、当然ながら、その場合に単位は取得できない。
★この授業は、2年次生も履修することができる。★
○成績評価方法
授業への貢献度およびレポート
○オフィスアワー
特に設けない。講義前後に質問してもいいし、e-mailで事前連絡の上研究室に来てもらっても構わない。
○ 学生へのメッセージ
今回用いる教科書は、出版社によれば、「9歳から13歳向き」である。はたして、日本の「9歳から13歳向き」の本で、ここまで真剣に戦争を論じた本があるだろうか。本を手に取ればすぐに判るように、体裁は絵本であり、絵も文体も単語のレヴェルも子供向けそのものである。しかし、そこで語られている内容の水準には、まったく妥協がない。
それだけではない。このAutrement juniorシリーズには、離婚と再婚・いじめ・ジェンダー・貧困・環境・動物の権利・障害など、法律や政治の問題を扱った「絵本」が満載である。いずれも、「かわいそうな人」や「悲惨な体験」を語って感情に訴える本ではない。あくまで、「なぜ」そのような問題が存在して、それを解決しようとすれば「どのようにして」困難を乗り越えなければならないのか、といったことを、「9歳から13歳」の子供に考えさせるための本である。
初学者にも平易なフランス語で書かれた本書を通じて「戦争」について考えを深めるとともに、このような本が存在する国としない国との違いはどこから生じるのかにも考えを向ける機会ともしたい。
なお、類似のシリーズに« Citoyens en herbe », Gallimard jeunessがあり、これは大村浩子・大村敦志によって『若草の市民たち』シリーズとして信山社から翻訳が出ている。参照してほしい。