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神戸大学大学院法学研究科 2004年度前期
フランス法文献研究
講義の概要(変更の可能性あり)
○授業のテーマと目標
法学・政治学研究に必要な程度のフランス語読解力を養成することを目標とする。
○授業内容の要旨と授業計画
テキストを朗読・翻訳し、それに基づき議論する。
本講義では、「日本語らしい日本語」に翻訳する訓練も行う。ホームページ(http://www2.kobe-u.ac.jp/~shotaro/)にはそのための必読文献を示しているので、事前に参照しておくこと。
なお、読むだけではいつまで経ってもフランス語能力が上達しないので、ビデオを使った聴き取り訓練も行う。
○教科書・参考書
国際法の適用が問題となったフランスの裁判例(司法裁判・行政裁判)を用いる。授業開始前にコピーを配布する。
○履修上の注意
フランス語については、初級文法を一応理解していることを前提とし、講義において初歩的な文法事項の説明は行わない。学部生を対象とする「外国書講読(仏書)」では、より初歩的な内容の講義を行っているので、そちらに来ていただいても構わない(もちろん、学部の講義を大学院生が受講しても単位にはならない)。どちらを受講すべきか迷う場合は、とりあえず両方の講義の初回に参加すること。
○成績評価方法
平常点および(簡単な)レポート
○オフィスアワー
特に設けない。講義前後に質問してもいいし、e-mailで事前連絡の上研究室に来てもらっても構わない。
○学生へのメッセージ
どの国であれ、国際法を国内法秩序に取り込もうとする際には主権原理との調整が必要になる。日本では、憲法98条2項の解釈として、さほどの根拠もないままに「憲法→条約→法律」という序列が受け入れられており、また、国際法の「直接適用」についても不思議に国内法理論からの説明は少ない。しかし、これは、国際法学にとってはもちろん、国内法学(とりわけ憲法学)にとっても不幸なことではなかろうか。
周知の通り、フランスにはフランス特有の主権原理がある。国際法をフランス法秩序に持ち込む際にどのような問題が生じているのか、そしてそれはどの程度フランス特有の現象でどの程度普遍化可能なものなのか、このような問題を考えながら、国際法学と憲法学との双方の視点から「主権」概念に接近を試みる。