フランス語学習FAQ


 

このページは更新していません。今後は外国文献研究(フランス語)受講生のための学習資源を参照してください。(2010.03.16.)

 


   
 
齋藤兆史『英語達人塾』・『英語達人列伝』(いずれも中公新書)は素晴らしい本です。書かれていることのほとんど全ては、フランス語など他の外国語の学習に応用できます。これは必読。
 
初学者は、とりあえず、何でもいいから『○○日でできるフランス語』の類の本を買って、一気にざっと全体を見てしまうことです。それでフランス語ができるようになるはずはありませんが、そうやって全体を眺めたあとにやや詳しめの文法書・問題集に取り組むと能率が全然違います。
 
放送大学教材の『フランス語基礎』『フランス語入門I』『フランス語入門II』(いずれも放送大学教育振興協会、2006年)もいいでしょう。受信が可能なら、受講してみるのも手ですね。
 

中級者(=初級文法既習者)は、自分の興味ある分野の文章を読んでいきましょう。「自分の興味ある」というのがポイントです。
また、折に触れて「文法書」以外の本を読むのもいいでしょう。たとえば、

  • 大橋保夫ほか『フランス語とはどういう言語か』大修館
  • 山田秀男『フランス語史 増補改訂版』駿河台出版社
  • 一川周史『初学者も専門家も 新・冠詞抜きでフランス語はわからない』駿河台出版社
  • 一川周史『初学者も専門家も 動詞オンチではフランス語はわからない』駿河台出版社
  • 石野好一『フランス語の意味とニュアンス』第三書房
  • 森本英夫『フランス語の社会学』駿河台出版社
  • 大賀・メランベルジェ『和文仏訳のサスペンス』白水社
  • メランベルジェ『宮沢賢治をフランス語で読む』白水社
  • 調・ルールム『フランス語ことわざ用法辞典』大学書林
  • 田辺保『フランス語はどんな言葉か』講談社学術文庫
  • 田辺保『フランス語をどう学ぶか』講談社学術文庫
  • 東京大学フランス語教材『Passages』東京大学出版会
  • 東京大学フランス語教材『Promenades』東京大学出版会
 
さらに、日本語訳があるフランス語の文章を読んで、自分で訳してみるといいでしょう。法律の文献であれば、『法律時報』毎号の巻末文献目録か12月号の「学界回顧」の「フランス法」、あるいは『日仏法学』などを見れば見つかります。
 
読むだけではだめです。「聴き」・「書き」・「話し」の訓練をしないと、読む能力も伸びません。
 「聴く」ことについては、下の「聴き取りの練習」を見てください。
 「書く」のは、専門の指導者がいないと困難です。ただ、一人でできることもあります。それは、「写経」よろしく、フランス語の文章を毎日少しでいいから書き写していくことです。これは、もし毎日続ければ、大いなる効果を発揮します。
 「話す」練習も一人でできなくはありません。一つは、NHKのラジオ・テレビ講座を利用すること。もう一つは、フランス語のテキストを大きな声で朗読することです。特に朗読はおすすめです。


どんな問題集・参考書がいいのでしょうか。

市販されているものについては内容に大差ありません。自分で気に入ったものを選べば結構です。次のものを薦めていますが、これ以外にもいい本はたくさんあるでしょう。
 
初級者に
 
辞典的文法書として
   『改訂版 フランス語ハンドブック』白水社
 

中級者に

  • Grammaire, Guides Le Robert & Nathan, Paris, Nathan, 2001, ISBN 2-09-184-173-0.
  • DELATOUR (Yvonne) et al., Nouvelle grammaire du français : Cour de civilisation française de la Sorbonne, Paris, Hachette, 2004, ISBN 2011552710.
  • GREVISSE, Précis de grammaire française, Louvain-La-Neuve, Duculot, 1995, ISBN 2-8011-0918-5.  
 
 フランスの本は、AlapageAmazon.frで簡単に入手できます。東京に行く機会があれば、欧明社に立ち寄ってみるといいでしょう。神戸の洋書屋さんは東京ランダムウォーク神戸元町店が最高ですが、フランス語の本はあまり置いていません。少しでもあるだけ素晴らしいというべきか。


辞書はどれがいいのですか。

仏和 外国書講読に出席する学生は、『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社、2005年)もしくは以下の仏仏辞典を使ってください。『小辞典』の類や、初学者用の『クラウン』や『ディコ』では不十分です。
 
仏仏 外国人学習者向けの辞書として、Le Robert et CLE International, Dictionnaire du françaisがあります。英英のOxford Advanced Learner'sやLongmanに相当する辞書です。まずこれから取り組むといいのではないでしょうか。

そして、それでは不満に思うようになったら、Le Petit Robert 1(もちろん、CD-ROMだけでなく冊子体もあります)。すばらしい辞書です。"2"は固有名
詞辞典ですので、とりあえずは不要でしょう。Le "Petit"が「大きすぎる」という人には、Le Micro Robert 1をすすめます。
 
和仏 ろくな辞書がない、というのが実状です。受信ばかりで発信をしない日本には「和仏」や「和英」で良い辞書はほとんど育ちません。
 
仏英・英仏 Le Robert-Collinsがおすすめです。ただし、相当の英語力がある人でないとかえって有害です。


聴き取りの練習はどうやってすればいいのでしょうか。

インターネット上のテレビ・ラジオ放送を活用しましょう。http://www.comfm.com/
 とにかく、聴いて聴いて聴きまくることです。BGMと思って、家にいる間はずっとつけっぱなしにしておくのがいいでしょう。
 国際法・国際関係に関心のある学生であれば、国際ニュース放送局(ラジオならRFI、テレビならFrance 24Euronews)を聴くと良いでしょう。もっとも、ニュース番組というのはどうしても早口で緊張感を持った話し方になるので、続けて訊くのが疲れるというのであれば、France Cultureがおすすめです(ちなみに、同じ意味でBBCのIntelligent Speechもおすすめ)。

 フランス語の国際テレビ局であるTV5の番組が、ネット上で視聴できるようになっています(日本語ページ)。4th MediaWorld on Demandを通じて視聴することもできます。

 

RFITV5のフランス語学習ページは極めて有用です。
 RFIのLangue françaiseのページには、中級以上の学習者に最適なさまざまな素材が提供されています。たとえば、"Le journal en français facile"には、比較的易しい語彙でゆっくりと話してくれるニュースが収録されており、しかもニュース原稿を読むこともでき、おまけにニュースを素材にした練習問題までついています。これは、素晴らしい。
 TV5の"Apprendre.tv"も充実しています。こちらは映像もあるので、一層便利かもしれません。

   
NHKもすばらしいサービスを提供しています。NHK Worldのページでフランス語でのニュースを聴くことができるのみならず、ニュース原稿を読むこともできます。ニュースを聴いて原稿を見て理解度を確認するもよし、原稿を読んでニュースを聴いて発音練習をするもよし。これはぜひ活用してください。
 
ヨーロッパ連合のサイト(英語フランス語)で、EUに関するさまざまなビデオを見ることができます。内容といい、画質・音質といい、圧巻です。
 
L'Université de tous les savoirsで、さまざまな内容の講演やシンポジウムを聴くことができます。「種が成立するにはどの程度の時間が必要か」「スポーツの経済学」「低開発国における教育へのアクセス」「法の下の平等」「アルジェリア戦争とフランス人の記憶」「ナノテクノロジー」などなど……。
 
授業ではビデオ教材も使います。

 

フランス語の資格にはどのようなものがありますか。

仏検がよく知られていますが、国際的に通用するTCFやDELF/DALFを薦めています。
 
TCFは、ヨーロッパ審議会(Conseil de l'Europe)の基準"Cadre commun de référence pour les langues"日本語仮訳)に則ったフランス語検定試験で、英語のケンブリッジ英検日本語)に対応するフランス語の標準的検定試験です。この試験は、通るか落ちるかではなく、点数で評価されますので、自分のレヴェルがはっきりわかるというメリットもあります。
 
DELF/DALFも、上記"Cadre"に沿った試験で、フランスの大学に留学する際に大変便利な資格です。もちろん、留学とは関係なく、フランス語の能力を示すためにも役に立ちます。

 

いいフランス語学校を教えて下さい。

神戸には神戸日仏協会、大阪には大阪日仏センター、京都には関西日仏学館(私はここでフランス語を学びました)があります。それぞれ、フランス語を教えるにとどまらず、さまざまな文化行事も開催しています。

 

フランス関連のリンク集を作ってください。

既にいろいろありますので、屋上屋を架す必要はないでしょう。以下を起点に自分で探してください。

      アリアドネ
      
Droit francophone
      京都大学大学院法学研究科国際法政文献資料センター
       ←ここのリンク集は必見