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2003年度 神戸大学大学院法学研究科
フランス法文献研究
授業のテーマと目標
法学・政治学研究に必要な程度のフランス語読解力を養成することを目標とする。
授業内容の要旨と授業計画
教科書を翻訳し、それに基づき議論する。
教科書・参考書
(教科書)
CHALTIEL (Florence), La souveraineté de l'Etat et l'Union européenne, l'exemple
français : recherches sur la souveraineté de l'Etat membre, Paris, LGDJ, 2000, 606+xiii p.
本書は、ヨーロッパ統合の中における国家の位置・意味をフランスを例に探求した大著であり、ヨーロッパ法の優れた博士論文に送られるPierre-Henri
TEITGEN賞(Commission pour l'étude des communautés européennes)を受賞している。国際法を学ぶ者には「主権」の意味を考え直すきっかけになるだろうし、国内法を学ぶ者にとってはヨーロッパ法秩序と国内法秩序との複雑な絡み合いを理解する一助となるだろう。もとより、フランス法あるいはヨーロッパ法を特に学びたい者にとっては必読文献である。
大部の著書なので、最初から読むことはせず、とりわけ受講者の関心を引くであろう箇所を選択し、そこに取り組むこととする。
履修上の注意
ヨーロッパ法(EU/EC法)の知識を、ごく基本的なもので十分であるが、持っていることが望ましい。もしヨーロッパ法を全く知らないのであれば、伊藤洋一「基礎法・特別法講義VII・ヨーロッパ法」法学教室2002年8月号−11月号や島野卓爾ほか『EU入門』(有斐閣、2000年)第1章、第2章第1節・第2節を読んでおいてほしい。
フランス語については、初級文法を一応理解していることを前提とし、講義において初歩的な文法事項の説明は行わない。学部生を対象とする「外国書講読(仏書)」では、より初歩的な内容の講義を行っているので、そちらに来ていただいても構わない(もちろん、学部の講義を大学院生が受講しても単位にはならない)。どちらを受講すべきか迷う場合は、とりあえず両方の講義の初回に参加すること。
本講義では、「日本語らしい日本語」に翻訳する訓練も行う。そのための必読文献を示しているので、事前に参照しておくこと。
なお、読むだけではいつまで経ってもフランス語能力が上達しないので、ビデオを使った聴き取り訓練も行う。
成績評価方法
平常点および(簡単な)レポート
学生へのメッセージ
ヨーロッパ法・フランス法・国際法を学んだことのない者であっても内容が理解できるように配慮するので、遠慮なく参加していただきたい。