2025年度前期 国際環境法

講義の記録

講義の概要

4月18日

第1部 越境汚染 1. Trail Smelter

講義では、仲裁判断原文を基に議論します。日本語解説を参考にしつつ、事前に仲裁判断(中間判断・最終判断)を読んでおいてください。

仲裁判断 Reports of International Arbitral Awards, vol. III, pp. 1905-1982.

日本語での解説(そこに引用されているものも含む)

4月25日 1. Trail Smelter
前回の積み残し部分を先に済ませます。「原因行為と損害との因果関係が証明されれば責任が生じるのか」について、仲裁判断のどこでどのように述べられているか、特定してきてください。
2. Gabčíkovo-Nagymaros

判決 I.C.J. Reports 1997, p. 7.
   判決を読む際、地名や構造物の全てにつき、Google Map(衛星写真モード)で確認してください。

日本語での解説(そこに引用されているものも含む)

予習課題は日本語解説を読むことではありません。あくまで、判決本文を読んできて下さい。

5月2日 2. Gabčíkovo-Nagymaros

4月25日の予習課題参照

5月12日
(補講)
2. Gabčíkovo-Nagymaros
続き(判決パラ40から)
5月23日 2. Gabčíkovo-Nagymaros

続き(判決パラ104から)

3. Pulp Mills

Gabčíkovo-Nagymaros判決を読み終えたら進む。

判決 I.C.J. Reports 2010, p. 14.
   同様に、関連地名をGoogle Mapで確認してきてください。

日本語での解説(そこに引用されているものも含む)

Pulp Millsの後、South China Seaを省略して福島第一に進みます。
5月30日 3. Pulp Mills
上記のとおり。

6月6日

3. Pulp Mills
判決パラ61から。
6月9日
(補講)
3. Pulp Mills

判決パラ159から。

いつも言うことですが、自分がこの当事者の担当者であったら、弁護人であったら、自分ならばどういう議論をするか、ということを考えながら読んできて下さい。

6月13日 3. Pulp Mills
判決パラ199から。
6月20日 3. Pulp Mills
判決パラ240から。
6月27日 3. Pulp Mills
判決パラ276から。最後まで読み、判決全体から何を学ぶべきかについて議論する。
4. Verein Klimaseniorinnen Schweiz

判決 Verein Klimaseniorinnen Schweiz v. Switzerland, Application no. 53600/20, GC, 9 April 2024.

  • 日本語解説
    • 中西優美子「欧州人権裁判所における気候変動訴訟」有斐閣Online L2501015(2025年2月27日)
    • 馬場里美「気候変動緩和対策を推進する国家の積極的義務が認められた事例」人権判例報8号(2024年)3頁
    • 木村ひとみ「気候変動に関する国家の義務に関する欧州人権裁判所(ECHR)判決(KlimaSeniorinnen(高齢女性グループ)対スイス)と国際海洋法裁判所(ITLOS)勧告的意見」環境管理60巻10号(2024年)43頁
7月4日 4. Verein Klimaseniorinnen Schweiz

判決パラ438から。特に、以下を重点的に読んできて下さい。

  • パラ438-440
  • パラ521-526
  • パラ544-573
  • Eicke裁判官部分的反対意見 パラ16-21
7月7日(補講) 5. 福島第一原発 ALPS処理水排出

以下の情報(および自分で調べた情報)を基に、国連海洋法条約に基づいてどの国が日本を相手にどのような訴訟を提起することが可能か、考えてくる。

7月11日 5. 福島第一原発 ALPS処理水排出

前回の続き。特に以下を検討する。

  • 海洋放出の代案は
  • 異なる科学的見解がある場合にどうすれば良いのか
  • 放出開始後の対応の法的問題は