2024年度前期 国際安全保障法

概要

講義の記録

以下の概要はKULASISに掲載されているものと同一です。

講義の概要・目的

国際安全保障に関連する国際法上の諸規則およびその適用の実態を理解することを目的とする。受講生の十分な予習を前提に、講義では事例分析を中心に行う。

到達目標

国際安全保障に関する国際法上の諸規則にかかる基本的な知識を習得する。

事例分析を通じて、それら規則を実際の場面に適用する能力を身につける。

国際安全保障に関する英語文献を日本語文献と大差ない速さ・正確さで読み解けるようになる。

講義計画と内容

第1回 Jus ad bellum (1)――日本の先例 台湾出兵以降

第2回 Jus ad bellum (2)――ロシアのウクライナ攻撃

第3回 Jus ad bellum (3)――イスラエルのガザ攻撃

第4回 Jus ad bellum (4)――台湾有事

第5回 Jus in bello (1)――中立 ウクライナ支援は支援国を交戦国にするのか

第6回 Jus in bello (2)――国際的武力紛争と非国際的武力紛争 ガザ攻撃は?

第7回 Jus in bello (3)――区別原理(1)軍事目標(1)総力戦と戦略爆撃 重慶・広島

第8回 Jus in bello (4)――区別原理(2)軍事目標(2)経済的目標 ロシアによるウクライナインフラ攻撃

第9回 Jus in bello (5)――区別原理(3)軍事目標(3)付随的損害・保護の消滅 学校・病院への攻撃

第10回 Jus in bello (6)――区別原理(4)戦闘員と文民(1) サイバー攻撃に関わるエンジニアは文民か

第11回 Jus in bello (7)――区別原理(5)戦闘員と文民(2) ワグネル・ハマスは文民か

第12回 Jus in bello (8)――占領 「占領地」でロシア・イスラエルは何が出来るのか

第13回 Jus post bellum (1)――処罰 国際刑事裁判所に何が出来るのか

第14回 Jus post bellum (2)――補償 ウクライナ・ガザについて補償はあり得るのか

第15回 まとめとフィードバック

履修要件
「国際法」を受講しているか、学部において国際法関連科目を受講していたことを前提として講義する。ただし、これらを受講していることを必須要件とするものではない。
成績評価の方法・基準

平常点(40%)・レポート(20%)・期末試験(40%)

平常点は、講義の場における議論への参加状況により評価する。欠席していればもとより、物理的に出席していても議論に参加しなければ評価の対象にしない。

レポートは、講義で扱う具体的な事例を一つ採り上げ、資料に基づき事実関係を整理し、法的な論点を抽出し、それら論点のうち一つにつき分析を加える。詳細は、講義において指示する。

教科書

毎回講義資料(予習課題)を本ウェブサイトにて配布する。

参考書等

毎回の講義に対応する『防衛実務国際法』の該当頁を示すので、国際法の基礎的理解に欠けていると自覚する者は、まずそれを読んでから予習課題に取り組むと良い。

また、これまでに国際法を学んだことが全くない者は、講義開始(遅くとも第2回講義)までに『防衛実務国際法』の第0章から第6章までを読み通しておくこと。

関連URL
M本ウェブサイト(このサイト)に資料を示す。
授業外学習(予習・復習)等

【予習】
毎回の予習課題(講義資料)をM本ウェブサイトに示す。予習課題を熟読し、理解できない箇所があれば自分なりの方法で調べ、それでも理解できなければ講義中に質問する用意をしてくること。

「国際」安全保障法であるので、資料の多くは英語である。英語の文献資料を読解する力を付けるためにもこの講義を活用されたい。

【復習】
復習については特に指示しない。それぞれ自分なりの方法で復習されたい。

その他

講義では、受講生が充実した予習をしてくること前提として、可能な限り議論に時間を費やす。教室には、人の話を聞くためにではなく、議論に参加するために来て頂きたい。