神戸大学国際法
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神戸大学法学部 2007年度後期

国際紛争と法

講義の概要


 

(7月14日追記)

以下の「授業内容の要旨と授業計画」にある「いくつかの紛争事例」としては、以下のものを取り扱う予定である。2・3においては複数の事例を取り扱う。

  1. ロッカビー事件 テロと安保理と国際司法裁判所
  2. 国際刑事裁判所 個人が国際法に裁かれるとき
  3. 国際投資紛争  企業が国家を国際裁判所に訴える条件とは

初回講義への予習課題は、次の通り。

  • 「国際紛争と法」で扱う教科書の全範囲(第16章〜第19章)を斜め読みしておく。

 


○授業のテーマと目標

 中央機関による強制執行の存在しない国際法体系における紛争過程を検討することにより、「法」について、また、国際関係についての理解を深める。

 

○授業内容の要旨と授業計画

 教科書の「紛争の平和的処理」「平和と安全の維持」「武力紛争法」「中立法」を概観した後、いくつかの紛争事例を用いて、国際法が実際にどのように用いられるかを検討する。講義で扱う事例は、7月上旬にここに示す。用いるのは最新の事例であるが、議論される問題はあくまで基本的なものである。

 

○教科書・参考書

 各回講義において、予習課題・資料を配付する。「国際」紛争を取り扱うので、当然ながら、少なからぬ英語文献資料が配付される。

 

○履修上の注意 

  1. 「国際法概論」を履修済であることを前提に講義する。
  2. 「国際機構法」も履修済であることが望ましい。
  3. 講義は、ほぼ100%対話形式で行われる。
  4. 初回講義の予習課題を7月頃にHPに掲載する。

 

○成績評価方法 期末試験・平常点・レポート

 成績評価は、
 1.講義中の議論への参加
 2.レポート3本
により行う。いわゆる「期末試験」は行わない。

 「講義中の議論への参加」については、発言内容の適否ではなく、議論に参加しているかどうかに着目する。議論に参加する受講生のみ、レポートに基づく成績評価の対象とする。

 3本のレポートは、講義に関係するある一つのテーマにつき、教員のアドヴァイスを受けつつ作成する。最初の2本は、そのテーマに関する論文や裁判例を要約するごく簡単で短いもの(A4・1枚)、最後の1本はそのテーマについて自分なりの意見を述べるある程度骨のあるもの(ただし最長でも1万字)を作成する。詳細については初回講義で説明する。

 

○オフィスアワー

 開講時に指示する。

 

○ 学生へのメッセージ

 本講義では、現場での国際法の使われ方を学び、国連文書や外交文書などの一次資料にも取り組む。外交官・国際公務員として、あるいはビジネス界で国際的に活躍したい者には特に受講を勧めたい。

 また、法の「使われ方」を中心に扱うことを通じて、国際関係に関心があるかどうかに拘わらず、「法」そのものに関心がある者にとっても有意義な講義になるようにしたい。