神戸大学国際法
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神戸大学法学部 2006年度前期

1年次演習


演習概要

 あなたがそこにいなくても、リンゴは落ちてくるかもしれない。しかし、あなたがいて相手もいなければ、約束はできないし、殴り合いもできない。「自分」と「相手」とがいる「世の中」で、人は、お互いの利害を調整し、共通の利益を実現するために、できるだけ殴り合いにならないようにさまざまな技術を作り出し、発達させてきた。それが、法であり、政治である。すなわち、法も政治も対話の技法である。

 ならば、プラトンを読まない手はない。プラトン対話編の最高峰とされる『国家』において、「正義とは」「あるべき政治体制とは」という法・政治の根本問題をめぐって、ソクラテスとトラシュマコスらは火花の散る対話を繰り広げる。2400年経った今も人を魅了してやまないこの奇跡的作品は、大学で法・政治を学ぼうとする新入生への、先人からの最高の贈り物である。


講義シラバス

「講義シラバス」のM本主担任クラス第4回課題は、K.R. Popper, The Open Society and Its Enemies, vol. I, The Spell of Plato, First published in 1945, 5th ed., 1966, London, Routledgeより、Ch. 6, Totalitalian Justiceでした。

また、M本主担任クラスの最終課題は、同書第1巻The Spell of Platoの全体でした。最終課題については、英語原文と共に邦訳(内田詔夫・小笠原誠訳『開かれた社会とその敵』(未来社、1980年)の参照も指示しました。