神戸大学法学部 2003年度後期 国際法(夜間主)
授業評価アンケート
12月15日実施 無記名 回答数19
追記 2004年3月1日 自由記述欄以外の項目についてのデータを受け取りましたので、掲載しました。
質問項目は、「法学部学生授業評価アンケート」という全科目共通のものです。
I. 受講生について
A. 学年
1回生 |
2回生 |
3回生 |
4回生以上 |
1 |
0 |
9 |
9 |
試験のページに記したように、期末試験受験有資格者数が17名ですので、大体それに対応する受講生が回答してくれたことになります。
B. この授業へのあなたの出席状況
100% |
80-99% |
60-79% |
40-59% |
0-40% |
10 |
7 |
1 |
1 |
0 |
C. この授業のためにした予習・復習等の程度
十分した |
まあまあした |
どちらでもない |
あまりしなかった |
しなかった |
2 |
13 |
2 |
2 |
0 |

II. この授業について意見を聞かせてください
D. 担当教員の声の大きさ、速さなど、話し方は適切だった。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
10 |
8 |
1 |
0 |
0 |
E. 授業理解のための補助手段(黒板、OHP、ビデオ等)は効果的に利用されていた。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
8 |
6 |
3 |
1 |
1 |
F. 指定された教科書は授業の理解に役立った。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
10 |
8 |
1 |
0 |
0 |
G. 配布されたレジュメ等な授業の理解に役立った。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
11 |
8 |
0 |
0 |
0 |
H. 授業のねらい(何をどこまで教えようとしているのか)は明確だった。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
12 |
5 |
2 |
0 |
0 |
I. 授業はシラバスに沿って行われた。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
17 |
2 |
0 |
0 |
0 |
J. 一回あたりの授業の進度もしくは分量は適切だった。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
9 |
7 |
2 |
1 |
0 |
K. 担当教員の熱意や工夫が感じられた。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
18 |
1 |
0 |
0 |
0 |
L. 授業の説明は理解しやすかった。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
5 |
8 |
5 |
1 |
0 |
M. 授業内容に興味を持つことができた。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
12 |
7 |
0 |
0 |
0 |
N. この授業を受講して、新しい知識や物事の見方が得られた。
とてもそう思う |
ややそう思う |
どらともいえない |
あまりそう思わない |
全くそう思わない |
17 |
1 |
1 |
0 |
0 |

III. 自由記述
以下の分類に応じて回答を分解しています。誤字・脱字等は修正しました。また、他の講義についてのコメントは削除しています。
受講生に、この講義の「良いところ」と「悪いところ」とをできるだけ具体的に書くようにお願いしました。何が「良い」「悪い」かは人によって異なるところですが、以下では記入した本人の判断に従って分類しています。
授業の形式(対話型)について
今期の授業は、ほぼ全面的に「対話型」で行いました。開講時に「履修カード」(氏名・写真・過去に履修した科目などを記す)を提出してもらい、対話の進め方に役立てました。当然ながら実質的な予習が求められますので、詳細な予習課題を示しました。 |
良いところ
- 対話型ということも手伝って、求められている予習(こちらの準備)を、きちんとしなければ、という気にさせられ、主体的に取り組めれた点。
- 今学期のような授業形態は、受講者も教師も負担が少ないと思う。しかし、国際法に関する知識は少しづつではあるが身についてきたと感じている。このような形態で講義を続けたら来年以降の学生のためになるだろう。
- 講義中の質疑が成績評価の1つなので、毎回の予習に力が入る。
- ディスカッション方式で沢山の人に発言させるやり方が、他の人の意見を聞いて別の観点を得ることが出来るし、質問に自分も真剣に考えることが出来るので、授業の理解という点で良い。
- 分かっているつもり、あるいは何気なく見逃している言葉(概念・定義)を法的にきちんと理解し、人にわかる言葉で表現していくことの大切さを学びつつある。
- 授業形式が今までの講義中心の授業と異なっているのが新鮮だった。学習の意欲が増した。対話形式だから、予習しないとついていけないというのもあるが、おもしろいです。いつも緊張しながら授業にのぞんでいます。
- 双方向形式のため集中でき、理解を深められるスタイルといえる。
- 対話型の授業であるので、質問に答える過程で、いかに、自分の言葉つかいや、言葉に対する態度がいい加減で、あいまいなものであるかが、よく理解することができました。
- 対話型で緊張感がある授業なので、予習でテキストを読む時に、どこが自分にとって分からないところであるのかなど、「予習」という事が、どんなものであるかが良く理解できた。
- 大変熱心に授業されており、予習がかかせない、という点で良いと思います。
- 授業の展開の仕方は、問いからはじまり、「なぜ」かということを考えさせられる内容で、授業が結構楽しく(予習には大分苦労しましたが)受けられました。
- レジュメを講師が読んでいるだけの授業ではなく、自分の頭で考えなければいけない。
- 短い、さっと読み飛ばしてしまう所も、十分考えなければ理解していけないということが嫌というほど分かります。
- 授業の冒頭で、テキストの内容についての質疑応答の時間になり、自分自身の理解度を確認できたことは大変よかった。
- 対話方式がどのように成立するのか、疑問も不安もあったが、学生の予習を前提に、先生が周到に用意されたプログラム、資料によって少しづつ教科書と判例の理解が進んでいくことを実感した。
- テキストについてわからない所を指摘するには相当熟読しなければならないので、読解力がついたと思います。
- 講義の冒頭で質問を受付けていただけるのがありがたい。
- 名前を憶えてもらっている事は、受身になりがちな大学の講義の中で、やる気、積極性を引き出すのにとても良いと思いました。
悪いところ
- 説明というより発問による談話ばかりで、発問後の確認もないと、ついていけない。説明そのものが理解できないのではなく、分量?
- こちらの処理能力が追いつかない。基礎知識を身につけておくべき予習が不完全なせいもあるが、発問に次ぐ発問では、緊張して考えて、・・・の間に次に進む感じがするし、メモをとっている間にも次々進む感じがする。口頭での発問(と答え)ばかりで、確認(再度の説明)がないとついていけない。自分の予習の不出来を棚にあげて、書きました。
- ずっと頭を使いっぱなしなので最後まで集中力が保たない事も。
- 良い所の裏返しですが、対話型の講義ばかりになると、夜間生には負担が大きい。週に1つぐらいであれば十分に準備出来ると思う。
- いい緊張感ではあるが、授業後はどっと疲れるのも本音です。
- あてられた時、心臓に負担が・・。
- いつあてられるか、けっこうドキドキします。
- 長所かもしれないが、とにかく疲れる。
- 先生とちがって理解途上ですので、もう少し答える時に余裕が欲しいです。

レポートについて
成績評価は、授業中の議論参加の他、レポート3本と口述形式の期末試験で行いました。レポートについては、授業開始時に詳細な説明を配布するとともに、課題の選択や書き方につき随時質問を受け付けました。また、本人が望む限り、何回でも書き直し・再提出を認め、その中でもっとも良くできたものをその回の成績としました。 |
良いところ
- ただ、書いて提出するのではなく、テーマ選びから指導があったことが良かった。
- レポートというものにどの様に取り組み、作成するかということを学ぶことができたのは今後、他の授業にも役立つと思います。
悪いところ
- そもそも国際法のことをよく知らないから講義を受けるのに、その講義のかなり初期の段階でレポートのテーマを決めて一回目の提出をしなければならないのはおかしいのではないか? 講義を受けて国際法についてよく知った上で、レポート作成に取りかかった方がより良いレポートが作成できるのではないか? 国際法のことをあまりよく知らない段階で作成したレポートで成績が決まるのは問題ではないか?

予習課題について
予習課題の質・量はこれまでの授業とほぼ同一でしたが、授業中にどんどんあてられるので、予習をさぼることは難しかったでしょう(にもかかわらず、どうしても予習してこない人も最後までいましたが)。予習の負担を少しでも軽減するために、シラバスに予習範囲を明確に示しました。 |
良いところ
- 予習の範囲・項目が指定されていたので、予習の際に準備しやすかった。
- 予習量が多い。しかも判例はかなり意味不明。
- 講義シラバスによって講義の全体的な流れが、事前に明確にされていたのがありがたかった。
- 自分自身、予習の甘さが身にしみる講義であった。本来の授業に対する姿勢やあり方を改めて実感する講義であった点、非常に意義深かった。
悪いところ
- 不適切だったという意味ではないのですが、予習としてあげられている判例の数と内容が多かったので、重要判例としてもう少し数をしぼってほしい。
- 授業の進度はそれほどでもないのですが、予習の分量は少し多い。
- 注文というより当方の現実。予習を一通り終えるためには、毎回7〜8時間を費やしている。時間をつくり出すことは、とても大変なことではある。
- 強いて言えば、予習の負担が少し多いかと思うが、私の努力不足である。
- この授業は知識を身に付けるという点では特に良いと思います。しかしその分、負担は他の授業と比べて大きい様に思います。特に判例国際法に書かれている内容を理解するのは、文章が少し分かり難い為、特に負担になりがちでした。
- 予習の範囲がやや多く、他の教科との関係上、追いつかないことがあった。
- 授業によって、差があったので、多いときはとても大変。
- 詳しいシラバスがあるにもかかわらず、授業内容とシラバスが合ってない回があったこと。予習のポイントがずれたので、授業に十分に参加できなかった。

授業のスタイル・進め方について(対話型形式についての意見を除く)
講義の最初にも話したとおり、「読めばわかることは講義では話さない」のが私の方針です。言い換えれば、「正解」がある問題は教科書や判例集に委ねて、「何がわからないかをわからせる」ことが私の授業の最大のねらいです。どうしても正解が欲しくてたまらない、正解がないと不安で仕方がない、という人がまだいるようですが、「正解」のある問題についてはわざわざ大学で学ぶ必要はありません。 |
良いところ
- 授業の内容、話し方は教科書・判例に拘りすぎず、国際法に対する抽象的なイメージや問題点を教えてくれるので非常に役に立つ。工夫を熱意を感じる。
- 紋切り型でなく、様々な視点から講義しておられるところ。(国際法という、時代によって移り変わることが前提となっているものを扱う授業なので、そうやって講義せざるを得ないのかもしれませんが。)
- 国際法の枠組の概観が示され良かった。
- スライド、資料等が沢山使用されて為になった。面白い内容のレジュメが多かった。
- 判例を常時テキストとして具体的な事例により理解が進んだ。
悪いところ
- 良い所かもしれないが、分からない所を授業で扱うので、自分の理解が、本当に、正しいのかが、あいまいなままになってしまった所。→確認すれば良いので、これは、自分の悪い所です。
- 話が抽象的になってきて例え話になると、何が言いたいかよく分からない。理解出来ない質問が多い。正解が分からなくて焦る。
- 内容が哲学的領域に入ると理解できない事もあった。
- 国際法だから仕方ないのかもしれないけれど、できれば体系的に教えてほしい。いろんな所に話が飛んで、整理しづらいです。パンデクテン方式に慣れすぎなのでしょうか?
- しばしば早い為、聞き取られなかった。
- 少し話し方が速いと思われました。

その他
良いところ
- 先生の授業への準備の万全さ(念入りな授業計画、レジュメの配布)から、熱意が感じられる点。
- 評価方法など全体的に講義の主旨が明確であったのが良かった。
- 先生は国際法以外の知識を非常に有している。
- E-mailで教官に質問が出来る事。質問も丁寧に返事が来る。
- 先生は学生1人1人にきめ細やかに対応(メールなども)してくださる。
- 新しい地平が、思考法が形成されるクラスだと思う。それがどういうものかは、言い表せないのだけれど。
- 国際法は国の軍事力や政治力といったものが、色濃く反映していると考えていたが、授業の中での国際法の「法」のなりたち、「法」の種類などを読んでいくうち、国際法も法として成立しているということが少しづつ分かってきたところです。
- 私自身、今まで一番真剣にとりくんでいると思います。
悪いところ
- 自分の知識が追いつかなかった。
- 理解の許容範囲が追いつかなかった。(端的に言えば、「難しい」)
- 授業後毎回のように勉強不足を感じる。