2016年度前期 演習(国際機構法)

ゼミの概要

KULASISにて閲覧に供されている概要と同文です。説明会の日時・会場はKULASISを参照して下さい。

ゼミの記録(4月までにしておくべき作業も含む)


科目

国際機構法
担当教員 M本正太郎
曜日
演習題目 模擬投資仲裁(FDI Moot)
演習の概要・目的

FDI Mootは、世界数十カ国から学生が参加し、ある架空の事例について、立論内容および弁論技術を競う模擬仲裁大会である。それへの準備および参加を通じて、関連法分野の理解を深めることはもとより、職業上の議論を英語で行う能力、および、チームで一つのプロジェクトを実現する力を身につける。

最先端の問題を扱う研究者、国際舞台で活躍する実務法曹、外務省や経産省などで国際関係を担当する官僚、国際機構で仕事をする国際公務員、海外展開を行う企業の法務担当などを目指す学生にとって、理想的な職業訓練の場である。

到達目標
  • 企業と国家との国境を越えた関係を規律する国際投資法の基礎を理解する。
  • 法的な議論を英語で遂行することができるようになる。
  • 専門的内容のリサーチを網羅的に行うことができるようになる。
計画と内容

8月末に韓国にて開催予定のアジア・太平洋予選を目指して準備を進める。FDI Mootの問題(与えられる架空の事例)分析を進め、並行して英語での議論能力の養成に努める。そして、アジア・太平洋予選提出のための書類を作成し、予選に向けて英語での口頭弁論の練習を繰り返す。予選を勝ち抜けば、旅費等の補助を受けて世界大会(11月・ブエノスアイレス)に参加することになる。

ゼミは基本的に日本語で実施するが、必要に応じて英語での議論も取り入れる。

履修要件

国際法第一部を履修済みであることが望ましく、国際法第二部も履修済みであるかゼミと並行して履修することを強く勧めるが、いずれも要件とはしない。

FDI Mootは国際投資法の大会であるが、参加者は現時点において国際投資法について知識を一切持っていなくても何ら問題ない。

読む資料も、作成する書面も、弁論も、ほぼすべて英語である。京大の入試を突破してきた学生であれば、現時点で英語を全く話すことができずとも、死にものぐるいでやれば十分に間に合う。履修要件があるとすれば、その覚悟を持つことである。

合否判定方法 平常点による。
授業外学習(予習・復習)

ゼミ開始(4月)まで
国際投資法の基礎を押さえておくこと、および、ある程度英語で議論できるようになっておくことを求める。前者については、国際投資法について何も知らない者を対象とする予習課題を期末試験終了後(2月)に示す。英語については、英語が得意な者は自分なりの方法で準備を進めておけば十分であり、並の京大生程度の英語力しかないと自覚する学生向けには、4月までにしておくべき準備について、下記の説明会で説明すると共に、M本のウェブサイトにも掲載する(下記)。

ゼミ開始後
このゼミは、「世界水準の大会に出て、勝つ」ための準備をする。世界トップレヴェルで活躍するスポーツ選手や芸術家を想像されたい。その彼・彼女と同じ程度の努力が、わずか半年程度の間だけではあるが、求められる。

その他

世界の場で同世代の学生たちと知的な真剣勝負をしてみたい、あるいは、将来どの道に進むにせよ世界水準で通用するプロになりたい、という者を歓迎する。

ゼミではそのための努力が求められる。まず、「個」の力を付けなければならない。世界水準で通用する法学の議論と、それを英語で説明する能力とを身につけるための徹底的な訓練を自己に課すことになる。その上で、チーム競技である模擬仲裁において成果を出すためのチームワークやプロジェクト・マネージメント能力を鍛えることも必要となる。

アジア太平洋予選は8月20日前後に開催される。ゼミ生は、大会出場メンバーに選抜されない者も含め、必ず予選に参加することとする。同じ問題に全力で取り組んだ「戦友」同士はすぐに仲良くなれる。世界規模での友人のネットワークを作りたい学生は、このゼミから多くのものを得るだろう。

「京大生は優秀だ」という幻想を抱いている者が万が一いるならば、その幻想を今のうちに払拭しておく良い機会になる。逆に、その幻想の中で生き続けたい者には向かないゼミかもしれない。


英語の準備について

既に十分な実力を持っているという自信のある人は自分なりの方法で準備しておけば結構ですが、自分には並の京大生の英語力しかないと自覚している人は、今から4月のゼミ開始まで、以下の訓練を重ねてきてください。

NHKの「実践ビジネス英語」を用います。以下の訓練のためには、マイ語学に登録してパソコンやスマートフォンで番組を聴けるようにしておく必要があります。

  1. まず、番組を最初から最後まで聴き、指示の通りに学ぶ。
     
  2. 番組のvignette (skit)を放送されているとおりに(同じスピード・発音・イントネーションで)読めるように訓練する。
  3. 読めるようになったら、シャドーイングをする。

慣れないうちは、これだけのために2時間はかかると思われます(もちろん、適宜休憩をしつつ、ですが)。それを、4月までに、番組15分+シャドーイング15分=30分で片付けられるようにしてきて下さい。それまでにはテキストを見ながらの朗読はしなくて良くなっているはずです。

外国語の訓練は、毎日繰り返さねばなりません。週末にまとめてではなく、毎日時間を作って下さい。「実践ビジネス英語」は週3回のみの放送ですから、足りない分は「攻略!英語リスニング」や「ニュースで英会話」で補って下さい。

「実践ビジネス英語」は難しすぎるという場合は、「基礎英語3」から始めても結構です。ただし、4月までには、「実践ビジネス英語」で上記の訓練をこなせるようになっていて下さい。

法学や法廷弁論に特有の英語表現は4月に入ってから学べば間に合いますので、4月時点では、ビジネス英語やニュースで使われる英語を普通に話せるようになっていれば十分です。それも大変だろうとは思いますが、がんばって下さい。