公共政策大学院 2015年度前期 国際行政論

講義概要

2015年度からの国際法関連科目の変更について(法科大学院・公共政策大学院)

 

科目

国際行政論
担当教員 M本正太郎
曜日・時限 木・1限
講義の概要・目的

国際機構やそれに類する組織の活動を、「国際」的あるいは「グローバル」な「行政」として把握する見方は、19世紀にすでに見られ、今日一層有力になりつつある。この講義は、その例となり得る国際機構(やそれに類する組織)の活動の実態を理解した上で、そのような活動を「国際」的あるいは「グローバル」な「行政」として把握することの意義を検討する。

いずれは国際公務員を目指したいと思っている者、外務省等の官庁を目指す者、JICA/JBIC等の国際協力機関を目指す者、国際NGOで活動したい者、およそ一般に「国際」に関心のある者を対象とする。したがって、講義資料の多くは英語であり、レポート課題にも英語論文を課す。

到達目標

国際機構(およびそれに類する組織)の活動の実態を理解する。

「行政」という観点から理論化を試みることにより、それら国際機構がなす活動を理論的に把握する能力を身につける。

国際問題を扱う英語文献を日本語文献と大差ない速さ・正確さで読み解けるようになる。

計画と内容

第1部 基礎
 1.「国際行政」・「グローバル行政」のworking definition
 2.国際法と国内法との関係に関する一般的理解

第2部 事例研究
 1.国際労働機関(ILO)
 2.国連による領域統治
 3.地域的漁業管理機構(RFMO)
 4.投資条約仲裁
 5.Codex Alimentarius
 6.バーゼル銀行監督委員会
 7.国際標準化機構(ISO)
 8.ICANN
 9.世界アンチドーピング機構(WADA)

第3部 理論化の試み
 1.「国際行政法」・「グローバル行政法」
 2.「国際法の憲法化」
 3.「国際的公的権威」 

履修要件 特になし
成績評価の方法・基準

レポート(50%)・期末試験(50%)。

レポートでは、講義に関連する英語論文1本を要約し、簡潔な評価を加える。

教科書

Sabino Cassese et al. , Global Administrative Law: The Casebook, 3rd ed.,(IRPA/IILJ)ISBN: 9788890758218(アマゾンを通じてキンドル版としてのみ購入可能のようである。)

参考書
  • 酒井啓亘ほか 『国際法』 (有斐閣、2011年) ISBN:9784641046559
  • 福田耕治 『国際行政学[新版]』 (有斐閣、2012年) ISBN:9784641184015
  • 城山英明 『国際行政論』 (有斐閣、2013年) ISBN:9784641149069

その他参考文献は、上記教科書に示してあるほか、講義中に随時紹介する。

その他の特記事項

この講義は、十分な予習を前提として、対話・討議形式で行われる。その対話・討議に参加することが必須であることを理解して講義に臨んで頂きたい。